テロと格差社会

 テロ (テロリズム)【terrorism】とは

・テロリズムとは、政治的目的のために暴力や脅威行為に訴えて実行すること。
・テロリストとは、テロリズムを信奉し。テロ行為をする人と解釈される。

・日本では、オウム真理教。
・世界的には、アメリカを標的にするアルカイダなど数多くの組織が存在する。

・暴力行為によって目的を実行する組織という定義なら、
・日本の「ヤクザ」や米国の「マフィア」も含まれる。

・戦争を起こし、他民族を侵略する「国家」もテロ組織といえる。
・とすれば、世界はテロ行為に満ちあふれているし、歴史はテロの歴史といえる。

・しかし、なぜか今は、テロリスト=イスラムと思われている。

・世界の総人口は、74億人(2016年)・・・(70億を突破したのは2011年10月) 

 ・世界の宗教人口(2016年)
  ・キリスト教24億人
  ・イスラム教17億人
  ・ヒンズー教10億人
  ・仏教5億人
  ・その他の宗教17億人
 (東京基督教大学資料 2016年)

 ・世界の総人口=世界の宗教人口となる。

・このことから、世界の人々は、なんらかの宗教的価値観で統一されている。
・人口が増加するとその増加地域の、宗教人口も増える
・今後は、イスラム教とヒンズー教徒が急激に増加拡大すると予想される。

人口増加の多くは、途上国でその多くは貧困国である。

富める先進国のキリスト教徒飢える貧困国のイスラム教徒という姿が、これからの21世紀の構図となる。

・資源が乏しいから、貧しいのかといえば多くはその逆である。
・豊かな資源があるために、逆に貧しい国が多い。

・富める国と貧しい国・富める人と貧しい人の違いは、
 経済闘争による「富の分配」にその要因がある。

・富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなる。
・この現実が、現代社会の姿である。

・富の分配が満たされず、食料に飢え・病気に冒され次々に死んでいく人々
・神などいないと思われるが、なぜか貧しい人々は「神にすがる」

・それしか希望がないからある。それほど厳しい世界である。

・若いときタイの大学に留学していた40代の日本人のA婦人は、
「この間、タイに行ってきました。昔と違っていまのタイは、経済格差が激しくて驚きました。日本では、見られないのにどうしてですかね」とわたしに話しかけた。

・わたしは、その質問に驚いた「日本は病気になっても健康保険があり、食料も豊富だし平和ですからね」と答えておいた。

・なぜ質問に驚いたのかといえば・・・

・日本の小学校の教室には、1億近い資産を持っている家庭が1組はいる。
・年収250万未満の厳しい家庭も何組かいる。

日本も、激しい格差社会なのである。
・このことを多くの日本人は知らないようである。

・なぜA婦人が日本には格差社会がないと思っていたのかといえば、

・日本には、医療保険制度や各種社会保障制度があるためである。
・累進課税制度により、ある程度の「富の再分配」がなされているからである。

・累進課税制度とは、富めるものから多くの税金を徴収し、
 富めないものに社会保障制度を通じて再分配をするという税制の仕組みである。

・20世紀初め、独占資本主義により資本主義経済の崩壊を恐れた先進国は、
・経済学者「ケインズ」の修正資本主義理論を取り入れた。

・その結果、先進資本主義国家は「福祉国家」を目指すようになる。
・日本もその国の一つであるが、いまそれが大きく崩れ始めている。

・経済発展を続けるタイ国は、
・福祉制度がまだ整っておらず「格差社会の問題」が表面化していたので驚いたのであろう。


・人口増加するイスラム世界も社会福祉制度が進んでいない。
・貧困が蔓延する一方、富めるイスラム国や裕福な人々も多い。
・まさに、格差社会の縮図がみられる世界である。

・富を略奪した先進国を標的にするテロリストたちは、
・まずは、自分たちの国の指導者たちに矛先を向けるべきである。
・政治家たちや宗教家たちが富の再分配をせず、逆に富の独占に加担していることも多く見られる。
・なぜテロリストたちは鉾先を変えなかったのかと思うことがある。

アルカイダは・・・、
・横暴なテロ行為を続ける「米国」を単純に憎んでいただけかもしれない。
・指導者「ウサマ・ビンラディン」は・・・、
・報復闘争ではなく宗教闘争を目指していたのかもしれない。
・死亡してしまったのでわからない。

・しかしキリスト教もイスラム教も元を正せば、同じ神を信仰している兄弟宗教である。
・なぜ闘争がやまないのか。

・米国は、大量破壊兵器を持ってるテロ国として「イラク戦争」(2003年3月 )を起こし、イラクを国民を混乱させた。

・結果は大量破壊兵器はなく、
・石油資源獲得の戦争であり、米国の軍需産業の積み上がった兵器の償却が目的であったという説もあり真相はわからない。

・米国はその後、自国の石油資源の開発に成功して中東から手を引こうとしたが、米国に対するテロ行為はますます激化する。

中東地域の不安定化は、この戦争から始まったといえる。

・新しいテロ組織ISISを誕生させ、
・いまも数多くの人々を悲惨な状況下に置き混迷をつづけている。

・世界は、19世紀の独占資本主義時代に逆戻りしているようだ。
・経済格差は拡大し、神にすがる貧しいイスラム教徒も拡大していくだろう。

中東の混乱は、さらにこれからも激化していくと思われる。

・混乱を深める世界。やはり宗教の教えを理解しないと難しいようだ。


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