加計学園問題と利権構造2

■この問題の検証方法

・加計学園問題では誰に利得が生まれ、誰が利得を失うのか、また登場する関係者との関係は、どうなっているのかという検証方法である。

A:誰が利得を得るのか
①50年ぶりに獣医学部の新設が認められた「岡山理科大学」の加計学園
②長い間念願だった「獣医学部の新設」を望んだ四国の人々。
③この問題の発端となった元文部科学省事務次官の「前川喜平」氏

B:利得を失うものは誰なのか
①獣医学部の新設を認めないよう奔走してきた「日本獣医師会」

C:この問題の関係者
①加計学園理事長とお友達の安倍総理
②愛媛県今治市と日本獣医師会
④文部科学省と「元文部科学省事務次官の前川喜平」
⑤自民党の元地方創生担当大臣の石破茂
⑥国家戦略特別区域の担当役人
③民進党をはじめとする野党勢力とマスコミ

★この問題のプロセス

・1975年、愛媛県今治市が「学園都市構想」を打ち出し、今治市に獣医学部誘致計画を立てた。
・その時に学校法人「加計学園」がこの応募に唯一応じた。
・しかし愛媛県の獣医学部新設は度重なる文部省への申請に全て却下された。

その背景には、 産経新聞によると、
・2007年2月、東京・赤坂の料亭「佐藤」で、学校法人「加計学園」の、加計孝太郎が、設置反対勢力の「日本獣医師政治連盟」の委員長の北村直人を説得したが、猛反対された。

・また、愛媛県知事の加戸守行は、担当相の麻生太郎宛てに申請を提出したところ、北村直人と日本大学総長(獣医学部を保有)が、加戸を訪れ猛反対されたと述べていると書かれている。   (産経新聞)

◎つまり
・「日本獣医師会」が、50年以上も役所や政党と組んで、獣医学部の新設に反対してきた。その組織が「日本獣医師政治連盟」である。

◎なぜ、反対を続けるのだろうか
・平成29年公益社団法人「日本獣医師会会長」藏内勇夫の「新年のご挨拶」を聞けば、その意味がわかる。

新年のご挨拶【抜粋】
・「獣医師の需要動向をみましても,地域偏在や職域偏在はあるものの,全国的観点から獣医師数は不足していませんし,平成19年に農林水産省で行われた獣医師の需給調査においても,今後,獣医師が過剰となる場合や不足する場合のシュミレーションを行いましたが,不足するという結論になっていません。
・過去50年間,獣医学部が設置されてこなかったのは,その必要がなかったからであります。」

◎会長、藏内勇夫の話を要約すれば、獣医師は不足していない。
・全国に16大学にある獣医学部でまにあう。
・そこに、加計学園が新設されると獣医師が過剰になるということ。

加計学園の親切計画では、獣医学部の定員は、1学年160人で既存の獣医大学と比べて国内最大規模となり獣医師が過剰になり、現在の獣医師の既得権が犯されるという主張です。


★獣医師は不足していないのか

★本当に、獣医師は不足していないのか
・今回、愛媛県が獣医学部の新設を望むのか理由は、次のようである

①1975年愛媛県知事の加戸守行は、鳥インフルエンザや米国での牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)が世間を騒がし、宮崎で発生した口蹄疫をいかに四国に上陸させないかという喫緊の課題に直面していた。

②そこで四国の獣医師総動員の検閲体制を計画するが獣医師の不足で悩み、さらに四国に獣医師学部がないことに気づき獣医学部の新設に取り組みはじめた。そこに加計学園が応募した。
なんと新設のこの話は、42年も前からの話なのである。


【獣医学部の検証】
・全国の獣医師学部は16校
  (国立大学法人10・公立大学法人1・私立5の16大学)
・1978年獣医師法の改正に伴い大学の獣医学部・学科は6年制に移行した。
・つまり6年間修学して獣医師国家試験の受験資格が得られる医師とおなじ。

■・現在の入学定員は、
・国公立大学の総定員370名と私立大学の総定員560名で計930名
・毎年1000人未満しか募集がないため、入学試験の倍率が当然高い。
・単純倍率は、約24倍で医学部つぐ難関である。

・学費は、私立大学の獣医学部で6年間で約1,300万円 
【例】

私立大学名 入学金  初年度学費2年度以降学費
酪農学園大学     約142万円約208万円
日本大学  260,000円約231万円約229万円
北里大学  300,000円約233万円約203万円

◎なるほど、これが6年間続くとで学費と生活費で2000万円以上か。
・金持ちでないと入学できないな。
・獣医師達は、高齢化して既得権なんか関係ないと思うが、
・入学生の多くは、獣医の息子達で、獣医師の子どもは獣医師になり跡をつぐか。
・やはり、自分たちの既得権を守る為に「日本獣医師政治連盟」までつくって、あの手この手で、この愛媛県の新設を阻んでいるのかと・・

・獣医師の平均給与は、年収約600万円以上・・医師より低い
・平成28年度の獣医師国家試験合格者
・受験者数1293人中 合格者1000人 (農林水産省)


【検証】「日本獣医師政治連盟」の運動
・日本獣医師会の日本獣医師政治連盟は、獣医師学部新設に強く反対し続け、獣医学部新設への壁を作るたためのロビー活動を行っている。

・2010年に獣医師会は「民主党の城島光力」に働きかけて、
・「民主党獣医師問題議員連盟」(会長:城島光力)を発足させて民主党菅内閣下で、今治市と愛媛県からの獣医学部申請への反対を国会で提言させている。
さらに民主党に多額の寄付金を納めてる。

・自民党が政権奪還の2012年以降には日本獣医師政治連盟は
・「自民党の石破茂」に100万円の献金している。

・産経新聞によると「国家戦略特別区域の担当である地方創生担当大臣」の石破茂により、日本獣医師会の強い意向にそった「石破4条件」が盛り込まれた。
・そのため、獣医学部新設がさらに極めて困難となったと書いてある。(産経新聞)


★その活動は、政党だけではない

①50年以上日本に獣医学部が新設されなかったというのは
・文部科学省が認可しなかったということである。
・それは当然、文部科学省の官僚達に対するロビー活動も行われたはずである。

・文部科学省の大臣達は1~2か年で交代する。
・上級官僚達は大臣から指示されても「わかりました」と返事して仕事しなければよい。
・行政は、官僚達の意のままで天下である。

・その例が、民主党政権下で作成された「天下り禁止法」である。
・法律が成立した後も、文部科学省元事務次官の「前川喜平」は、気に入った部下の天下り斡旋を取り仕切っていた上級官僚である。当然、見返りもあったはずだ。


★異常な世界と疑問

・50年以上「獣医学部」が新設されてないとは、やはり異常である。
・国内の獣医は足りても、海外の途上国では獣医が不足して助けを求めている。
・それに答える気骨のある若者達もいるはずだし、動物のお医者さんになりたいと思っている子ども達には、門が狭すぎて現実的にはなれない。

・加計学園の獣医学部建設に、多額の公費が使われるという問題
・今治市、市議会は加計学園の建設費192億円のうち最大96億円を補助する。
・議案を全会一致で、さらに36億7500万円相当の予定地を無償で譲渡する議案を賛成多数で可決した。
・市議32人中、反対したのは「早急すぎる」と批判した共産党の市議だけだった。 (朝日新聞)
・今治市は、長年の念願と若者達を呼ぶことで地域の活性化を図りたいと言うが、やはり異常である。むしろこちらの方が問題である。

・公益社団法人「日本獣医師会」から、政治献金を受け取り、獣医学部建設に反対運動をする政治家達も、やはり異常である。
・国民から多額の政治活動費をもらっているにもかかわらず、「理念無くして」政治活動を行っている。これこそ「忖度」の世界である。

・日本国中が公益社団法人「日本獣医師会」のロビー活動に振り回されたのではないか。
・マスコミも政党も関係者もわかっていたが、この問題を政権論争に利用して、この真実を伝えなかった。これも異常である。

・この問題の発信源は、元文部科学省事務次官の「前川喜平」から始まった。
彼はなぜ、この問題を持ち出したのであろうか?。
・社会正義感から発信したとは思えない。
・なぜならば、法律を率先して守るべき立場にある上級官僚が、堂々と天下り斡旋の主指導者であり正義感の強い人物とは認められない。

・なぜ彼が、この問題を発信したか、その理由を次回調べてみよう。



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