中国の江沢民が死んだ

・中国共産党の最高指導者として、1993年~2002年の10年間「鄧小平」の社会主義における「解放経済路線」を引き継ぎ発展させ、今日の経済大国、中国を実現させた指導者である。


江沢民(こうたくみん)

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音声1

音声2


・「毛沢東」の中国26年間にわたる社会主義政策は、失敗に失敗を重ね中国人民は貧窮(ひんきゅう)にあえいでいた。

・後を引き継いだ「鄧小平」は、黒いネコも白いネコも「ネズミ」をとるネコは良いネコだ。と表現して社会主義下の「市場解放経済路線」を中国に取り入れて、資本主義を導入した。

・鄧小平の後を継いだ「江沢民」は、毛沢東や鄧小平のようなカリスマ性の高い指導者ではないが、経済基盤をつくり中国人民に希望を与えた功績は大きい。

・しかし、日本人にとっては「周恩来・華国鋒・鄧小平」とは違う最悪の指導者であり、江沢民は日本人にとっては正に「負の指導者」としか思えない。


毛沢東(もうたくとう)  鄧小平(とうしょうへい)   中国共産党の支配     

・15年前に中国広西省南寧市で仕事をしていた私は、中国の小中高校生たちが学校で「反日教育」を受け、TVでは偏見に偏った日中戦争が、毎日放映されていたのを見ていた。

・それは、江沢民の「愛国教育=反日教育」政策である。

・そのプロパガンダで、街を走る車には「日本人と犬」は近寄るなとステッカーを貼った車が走っていた。


反日教育  10月から1ヶ月間、軍事教育を受ける全国の高校生と大学生


・当時、反日教育を受けた中国人の10代~40代の若い人々には日本人嫌いが多く、50代~60代の人や70代以降の人は、日本人には好意的であった。

・50代~60代の人々は「文化大革命」の時代を経験しており、中国共産党を余り信じていない人々でした。

・70代以降の中国人は戦争経験者が多く、戦争はお互いが「被害者でもあり加害者でもある」ということを知っていた人たちです。

・或るとき郊外の小さな店で買い物をして、釣り銭をもらうのを忘れて店を出た私に、店番の70代のおばあさんが、追いかけてきて、日本人か?、釣り銭を忘れていると言って渡してくれた。
・私は大変恐縮して何度も、おばあさんにお礼を言った。

・このおばあさんも、きっと戦争経験者だと思うが、日本人の私を敵視してはいなかった。

・日本語課の学生達は好意的で有ったが、街で仕事をしている30代の中国人と一緒に酒を飲み、酔いが回ってくると彼らは必ず「南京問題」はどう考えるとか「台湾」をどう思うとか、先の戦争について私の意見を聞いてくる。

・真面目に答えると、喧嘩になるので「よく知らない」ととぼけていた。



田中首相と周恩来    日本企業を見学する中国の小学生

音声2
・日本は、「田中角栄」首相が1972年中国に渡り日中国交回復を達成した以降、日本企業も中国に渡り、多くの中国人を雇い、若い彼らに製鉄、造船、家電の製造技術を教えた。

・私も中国国家外事専科局から日本語教師として南寧市に配属された。企業も我々教師も先の日中戦争に対する贖罪(しょくざい)の意味を持って中国に渡った。

・その友好の機運を「江沢民」は、反日教育で打ち砕いた。

・日中戦争では日本人は、中国人民にいかに残虐な行為を行ったのか。それを解放したのは中国共産党であり、中国人民は、中国共産党の元に団結しなければならない。と幼い子どもや少年や青年たちに全国の学校で反日教育をした。


近代戦争は、いかなる戦争も残虐である。
・戦争は「人と人との殺し合いの場である」、戦場で友や同胞が死んでいく中、お互いの兵士はしだいに「人間性」を喪失して恐ろしい行為を行う。これが戦争である。

・だから、「戦争はしてはならない」と子供達に教育しなければならないのに、江沢民は、中国の未来をになう若者たちに敵対意識を植え付けた。

・中国人民の若者達に、残虐な行為をした日本人は、いま豊に生活をしている。

・貧しい生活をしている中国人は負けてはならない。と江沢民は教えたかったのだろうが、その指導は、国交後の日中間に大きな禍根をのこした。

・禍根は、中国人は日本人は信用できない。日本人も中国人は信用できないという相互不信の感情です。

・江沢民の「反日教育」は、やがて隣の韓国でも取り入れ、韓国の全学校で「反日教育」が始まった。


指導者の過ちは、誰が裁くのであろうか。

・歴史が裁くという人もいるが、苦しめられ死んでいく人々への鎮魂(ちんこん)はそれだけなのか。

・いま、ウクライナでは同じ過ちが繰り返されている。
・かってウクライナ人とロシア人は、兄弟同士だったではないか。

・中国人と日本人に不信感を植え付けた指導者「江沢民」が死んだ。
・2022年11月30日、上海の自宅で死去する。96歳だった。


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