毒杯を飲んだトランプ米国大統領
・2026年2月28日、イスラエルと米国は、イランに大規模な空爆を実施、イランの最高指導者「ホメイニ師」と軍事指導者たちを殺害した。
■・トランプ大統領は、何を勘違いしたのか。
・2026年1月、米国は対岸の「ベネズエラ」を攻撃し、石油の利権を手にした。
・気を良くしたトランプは、ユダヤ派の好戦的な側近たちの言葉を信じ、今度は「イラン」の石油を手に入れるため、イランの核兵器開発を阻止すると大義を掲げてイランに侵攻した。
・石油の利権を得るためには反体制デモで不安定化しているホメイニ体制を崩壊させ、イランを「イラン革命」前の「王政体制」に戻すこと。
・アラブ人と少数民族クルド人などで構成される「多民族国家イラン」の内部分裂を起こさせ「イラン共和国体制」を崩壊させることとなどを考えて行動したのかもしれない。
・その本位の意図は分からないが商人大統領のトランプは、イスラエル国やユダヤ派の側近たちの言葉で行動を起こしたのは明白だ。
■・イランは、「天然の要塞」に囲まれた国。
・イランは、高い山々に囲まれて主要都市の平均標高は1000メートルを超える高原国家である。
・南側は高さ4000メートル、幅100㎞~300㎞の山々が連なるザグロス山脈が伸びており、北側は5000メートル級のエルブルズ山脈がそびえている。
・東側は、東部イラン山脈があり、その内側には岩石砂漠の「大塩砂漠とルート砂漠」があり、荒れ狂う砂嵐と高温の広大な乾燥地域が広がっている。
・イラン国は、こうした険しい地形が組み合わさって「天然の要塞」に囲まれた国で、歴史的にみても数千年間外敵の侵入を阻み続けてきた。
・紀元前に、この地を征服した「アレキサンダー大王」も、7世紀の「アラブ人の征服」も、13世紀の「モンゴル侵攻」も、このイランの地形に苦しみ内陸部を完全に占領することはできなかった。
・1980年「イラン革命」で混乱するイランに、隣国のイラク「フセイン」は、イランの石油を奪い取るために「イラン・イラク戦争」を起こした。
・しかしこの戦争は8年間も続いたが、結局イラクはイランの石油を奪い取れなかった。イランの地形のためである。

■・この戦争の長期化は避けられず、世界経済は混乱する。
・米軍は、イランの「天然の要塞」地形のため直接地上侵攻ができない。
・イランは高原の山岳地形で地対地ミサイルやドローン(無人機)を隠しやすいうえ、小規模部隊が分散して生き残ることが容易なためだ。
・米軍が侵攻すれば、アフガニスタン戦争以上の犠牲者が出ることが予想される。
・米国は、世界最強の軍事力を持つと誇示しているが、戦闘機による空爆だけでは、高原国家イランを制圧することはできない。
・トランプは空爆で米国兵員の犠牲を出さずに、イラン国民の「反政府運動」を盛り上り、政権が倒れるのを待つという理想的なシナリオを描いているようだ。
・トランプは、イラン国民に対し「自由のときは近い」「我々(の攻撃)が終わったら、政府を乗っ取れ」と呼びかけているが。
・しかし今年1月の首都テヘランでの反政府デモは、反政府運動のリーダーがいなく、現政権にとって代わる勢力になっていないのが実情である。
・さらに米国からは、幾度も内政干渉や経済制裁を受けた歴史から、ホメイニ体制に批判的な国民の中にも、米国へのアレルギーは根強く残っており、米国の野望とシナリオは実現しないと考える。
・多民族国家の内部分裂も望めない。なぜならイスラム教シーア派は、同じ神を信仰して強く結びついているからだ。
・イランの軍事力は、国軍61万人、革命防衛隊12万5000人計83万5000人いる。この戦力は中東諸国第1位である。
・米軍の圧倒的な戦力には及ばないが、イラクにはさらに「バシジ」という民兵組織もあり合わせると数百万人の兵力規模となる。
・さらには周辺諸国に、イランを支持しイスラエルを敵国と見なす、レバノンの「ヒズボラ」、イエメンの「フーシ派」、イラクの「シーア派民兵組織」がいる。
・米国は、この無謀な戦闘行為を即停止しなければ、戦闘の長期化は避けられず、中東の石油施設は破壊されて世界経済は大混乱する。
・2019年6月に安倍晋三首相が日本の首相として41年ぶりにイランを訪問し、イランとは友好関係が続いていた。
・輸入原油の8~9割がホルムズ海峡を経由する日本にとっては、このイラン情勢の先行きは重要であり、日本経済の土台を揺るがす大事件となる。

■・なぜトランプは、イランへの攻撃に執着するのだろうか。
・本当に核兵器の開発を阻止するためか。
・中東のアラブ世界で孤立していた「イスラエル」の地位を確立するためか。
・それとも中東の石油利権を再び「国際石油資本(メジャー)」に取り戻すためか。分からない。
・中東が混乱し、石油価格が高騰すれば、莫大な利益を生むのは、中東に利権を持たないユダヤ資本の「メジャー」だ。
・このイラン侵攻の影の支配者は「ユダヤ資本とユダヤ人」と言わざるをえない。
・トランプは、ユダヤ人に「毒杯を飲まされた」犠牲者かもしれない。
・21世紀、世界は「力による支配」を再び始め「新帝国主義」が始まったようだ。
・これで中国の「台湾」侵攻もますます現実をおびてきた。

